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アレルギー性鼻炎の治療

当院では、鼻アレルギー診療ガイドライン2017年版に基づき、アレルギー性鼻炎に対して以下の通り治療を行っています。

1.通年性アレルギー性鼻炎の治療(季節に関係なく、1年中アレルギー性鼻炎が続く方への治療)

(1)軽症の場合: 第2世代抗ヒスタミン薬の内服

当院では、「ビラノアOD錠」、「ザイザル錠」、「レボセチジリン錠」、「フェキソフェナジン60mg錠」、「同30mg錠」、「ベポタスチンベジルOD錠」が院内処方できます。

(2)中等症の場合:

(a)く「しゃみ・鼻汁が中心の方」には第2世代抗ヒスタミン薬の内服(+鼻噴霧用ステロイド薬の併用)

(b)「鼻閉(鼻詰まり)が中心の方」には抗ロイコトリエン薬(当院では、「オノンカプセル」が院内処方できます。)の内服(+鼻噴霧用ステロイド薬の併用)

当院では鼻噴霧用ステロイド薬として「アラミスト点鼻液」と「モメタゾン点鼻液」を院内処方できます。

(3)重症の場合:

(a)く「しゃみ・鼻汁が中心の方」には第2世代抗ヒスタミン薬の内服+鼻噴霧用ステロイド薬

(b)「鼻閉(鼻詰まり)が中心の方」には抗ロイコトリエン薬の内服+鼻噴霧用ステロイド薬
(ご希望の方には、内服薬「ディレグラ」の後発品「プソフェキ」を院内処方可能です。「ディレグラ」(後発品名:プソフェキ)は、第2世代抗ヒスタミン剤の「アレグラ」に偽血管収縮薬が加わった抗アレルギー剤で、1日2回(朝夕)食前に内服します。健康保険適応で、で院内処方も可能です。但し、頭痛の副作用を認める方が有り、「ディレグラ」(後発品名:プソフェキ)を試す前に、後述する「小青竜湯」、「葛根湯加川きゅう辛夷」を先に試されることをお勧めします。)

2.花粉症の治療(季節性の花粉アレルギーの方への治療)

(1)初期・軽症の場合:

第2世代抗ヒスタミン薬の内服(+鼻噴霧用ステロイド薬の併用)(+点眼用抗ヒスタミン薬の併用)

(2)中等症の場合:

(a)「くしゃみ・鼻汁が中心の方」には第2世代抗ヒスタミン薬の内服+鼻噴霧用ステロイド薬(+点眼用抗ヒスタミン薬の併用)

(b)「鼻閉(鼻詰まり)が中心の方」には抗ロイコトリエン薬の内服+鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬の内服(+点眼用抗ヒスタミン薬の併用)

(3)重症の場合:

(a)「くしゃみ・鼻汁が中心の方」には鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬(+点眼用抗ヒスタミン薬又は点眼用ステロイド薬)

(b)「鼻閉(鼻詰まり)が中心の方」には鼻噴霧ステロイド薬+抗ロイコトリエン薬の内服+第2世代抗ヒスタミン薬の内服(+点眼用抗ヒスタミン薬の併用)

(ご希望の方には、第2世代抗ヒスタミン薬「アレグラ」に偽血管収縮薬が加わった内服薬「ディレグラ」(後発品名:プソフェキ)+鼻噴霧ステロイド薬の組み合わせで処方も可能です。)

(4)最重症の場合:

上記(3)に加えて必要に応じて点鼻用血管収縮藥を治療開始時の1~2週間に限って併用。鼻閉が特に強い場合には経口ステロイド薬を4~7日間併用(但し、この組み合わせは、副作用が多く、当院ではお勧めしておりません。当院では「竜虎湯」又は「大青竜湯」を試して戴きます。)

3.当院の漢方薬によるアレルギー性鼻炎(花粉症)の治療
当院では、アレルギー性鼻炎(花粉症)の症状のある方で、漢方薬治療をご希望の方、抗ヒスタミン剤単独では症状が十分に改善しない方には、まず「小青竜湯」内服をお勧めしています。(抗ヒスタミン剤との併用も可能です!一部マスコミでは「麻黄附子細辛湯」が話題になっていますが、当院では第1選択薬はあくまで「小青竜湯」です!)「小青竜湯」が無効の方や麻黄剤が使用できない方には、症状によって次のように処方します。

(1)胃もたれ、動悸、不眠を伴う方:「苓甘姜味辛夏仁湯」(麻黄剤が含まれていません!)
(2)鼻閉、項のこりを伴う方:「葛根湯加川きゅう辛夷」
(3)冷えによる悪化のある方(特に高齢者):「竜附湯」(「小青竜湯」+「麻黄附子細辛湯」)
(4)アレルギー症状が強い方:「竜虎湯」(「小青竜湯」+「五虎湯」)
(5)アレルギー症状が非常に強い方:「大青竜湯」(「麻黄湯」+「越婢加朮湯」)

また、スギ花粉やダニが原因のアレルギー性鼻炎と判明しており、舌下免疫減感作治療薬(商品名:シダトレン)の使用をご希望の場合には、使用経験の豊富な専門医をご紹介致しますのでご相談願います。

尚、当院では、重症花粉症に対するIgE抗体オマリズマブ(商品名「ゾレア」)の皮下注射療法は行っていません。

(2023年3月2日)

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